意外と見落としがち?シティプロモーションに必要となる指標とは
自治体が広報活動を行い、地域の魅力を発信していくようなシティプロモーションですが、施策を実施しただけで終わっているというケースが少なくないです。
シティプロモーションのような施策を実施した後には、必ず評価を行い、次の施策に生かしていくようなサイクルを確立することが重要です。
今回はそのようなサイクルを確立するために必要な、シティプロモーションの評価指標について解説していきます。
1.シティプロモーションとは
そもそも、シティプロモーションとはどういった意味になるのでしょうか。
シティプロモーションは、自治体が行う地域を活性化させるための施策全般のことを指します。
より具体的にすると、その自治体の地域の魅力を発信していくような、宣伝・広報活動、また営業活動などがシティプロモーションとされています。
シティプロモーションの詳細については、下記の記事で紹介していますので、参考にしてください。
2.シティプロモーションに指標が必要となる理由
近年、各地方自治体で活発に行われているシティプロモーションですが、しっかりと指標を用いて活動している自治体は少ないかもしれません。
民間企業では、プロモーションなどのマーケティング活動を行った際には、実際にどのくらいの反応があったか、売上が上がったのかなどの定量的な指標を用いてその施策の効果を評価していきます。
マーケティング施策に対する指標が売上になるのであれば、その施策に投資した金額を上回るような結果を生み出すことができたかどうかという視点で、そのマーケティング施策を評価することができるでしょう。
施策に投資した金額を下回るような効果となってしまったとしても、その結果を踏まえて次回の施策に活かすことができるため、指標を用いた効果測定は非常に重要です。
このように、当たり前に行われている指標を用いた施策の検証ですが、自治体におけるシティプロモーション施策でも同じように行われているのでしょうか。
施策がうまくいっているかどうか、うまくいっていない施策をどう改善していくのか、などの取り組みのためにも指標は重要です。
特に、自治体が行うシティプロモーションにかかるコストの出所は、住民の税金になります。
税金を無駄にしないためにも、シティプロモーションを行う際には指標は設定する必要があるといえるでしょう。
3.シティプロモーションの指標設定のポイント
ここまで、シティプロモーションの指標設定の必要性について解説してきましたが、実際に指標を設定する際には、どのような点に注意するべきでしょうか。
ポイントは、その指標がシティプロモーションの目的につながっているかどうかという視点です。
目的が移住の促進による人口の増加であれば、一定期間における移住者の人数や、その地域外に住んでいる方の認知度などが指標になるでしょう。
地元に対する愛着の醸成が目的となるのであれば、アンケート調査による測定などが必要になるでしょう。
このように、目的に応じた指標の設定が、シティプロモーションには重要になります。
また、目的に沿った指標設定のためにも、シティプロモーションの目的を決めることは必須となります。
まずはシティプロモーションの目的をはっきりと定めることから始めていきましょう。
4.シティプロモーションの指標例
ここからは、シティプロモーションの評価に使われている指標の例を紹介します。
①市民意識調査
地元への愛着などを図る際に使われる指標、評価方法になります。
自治体によっては定期的に行っている調査であるため、比較的容易に取り組める方法といえるでしょう。
通常集計している項目だけでは、シティプロモーション施策の評価がしにくい場合には、調査項目を追加すればいいだけという手軽さも魅力的でしょう。
ただし、意識調査を郵送で行っている場合、若者の回答比率が下がり、高齢者の回答に偏ってしまうなどの可能性もあるため、評価・分析の際には注意しましょう。
②NPSⓇ(ネットプロモータースコア)
「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」という方法による評価も有効になります。
▷NPS®とは(ネットプロモータースコア)顧客満足度に変わる新指標 – NPSソリューション | NTTコム オンライン
これは、企業や商品・サービスに対する顧客の愛着度を示す「顧客ロイヤリティ」を測る指標であり、シティプロモーションの施策への評価指標としても有効です。
NPSⓇを実施する際には、「この商品やサービスを知人や同僚にどれぐらい勧めたいですか?」という質問を行い、顧客に0~10の11段階で回答してもらいます。
そしてその結果をもとに、
・0~6点と評価している人は「批判者」
・7~8点と評価している人は「中立者」
・9~10と評価している人は「推奨者」
と分類していきます。
そして最後に、「推奨者の割合(%)」-「批判者の割合(%)」を計算し、その結果がNPSⓇの値となります。
つまり、この値が高いほど、満足度やロイヤリティが高いということになります。
人間は、満足度が高くなるとその商品やサービスを他人に勧めたくなるという特徴があり、その特徴をうまく使った指標がこのNPSⓇです。
地元への愛着度を図る際などには活用を検討するべきでしょう。
③移住者数
地方創生や町おこしで目的となることも多い、移住・定住の促進を評価する際に使われる指標です。
直接的な指標であるため、誰でもわかりやすく評価、分析ができるというのが特徴です。
また、移住者数と似た指標として、移住相談窓口を設けている自治体では、移住相談者数というものを活用している場合もあります。
移住者数は、シティプロモーション施策以外の要因で増減が発生する可能性も高いですが、移住相談者数に関しては、何かしらの情報を受けて相談に動いていることが多いため、シティプロモーションの効果を図りやすい傾向にあります。
ただ、移住者数、移住相談者数のどちらの指標も、移住を目的としたシティプロモーションの際にはわかりやすい指標となるため、効果的に活用していきましょう。
5.まとめ
いかがだったでしょうか?
シティプロモーションはどのような施策を実施するのかも大事ですが、その施策をしっかりと評価し振り返ることも非常に重要です。
まずはシティプロモーションの目的をしっかりと定め、それにつながるような評価指標を決めていきましょう。
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