特産品でまちおこし?「食」を通じて地域の活性化へ繋げる方法とは
1. 特産品による必要性
まず、「食」によるまちおこしの必要性について、どんな事が必要なのか考えてみます。
例えば、有名な市町村の名前を聞くと、特産品の名前がすぐ思いつく市町村は数多くあるでしょう。
すでに認知度があることや、「特産品」を目当てに訪れる観光客が存在する場合、地域独自の「食」文化を的確に情報発信することで、それが有力な地域ブランドとして人を呼び込む観光資源になり得ることが可能です。
また、「食」に注目が集まるのは、近年、人々の余暇の過ごし方が非常に多様化してきていることも関係してます。
特に最近の観光旅行のキーワードとして定着してきているのが「安・近・短」です。
つまり、安い費用で近くの観光地に、短い日程で旅行する旅行形態のことです。
そういった形態での観光では、魅力的な「食(特に昼食と土産)」が存在し、現地でしか食べられない食材、料理を求めて、観光客が訪れてくれます。
つまり、何日も過ごせるような観光資源を持たない地域にあっても、気軽に食べられる美味しい「特産品」、特徴のある「食」を発掘すれば、充分に観光客を呼び込み「まち」の活性化を図ることができるのです。
まさに都市型観光にとって、「食」がいかに重要な要素であるかを示しています。
2. 特産品がもつ意味
特産品とは『特にその地に産するもの』という意味です。
特産品は、特定地域で生産される生産物、またはその農産物を加工した製品であり、地域の気候、歴史や風土、文化を外部の人たちに具体的かつ継続的に伝えることができ、地域に雇用や観光、収入を生み出す内発的産業の一つです。
近年、地域の特産品は数多く存在しているため、他の地域との差別化を行い、その地域独自の特徴や価値を品質面はもちろんのこと、特産品にまつわる周辺情報も含めて豊にしていく必要があります。
特産品の効果の一つとして、地域の人々に愛着と誇りをもたせ、地域の人々にその地で暮らし、働きたいという動機付けを促します。
また、地域の人々が自信をもつことで地域内外に情報発信ができることにもつながります。
3. 特産品の特徴
ひとくちに特産品といっても、特定の産地で生み出される商品には、一次産品、加工食品、その他の工業製品や伝統工芸品などさまざまありますが、特産品はその性質上、地域(産地)と密接に結びついているといえるでしょう。
生産量・販売量を増やすために,他の地域(産地)で生産するということはできません。
また、農産物や水産物であれ、加工品であれ、農家、漁師、地場産業の企業などの生産者の多くは小規模零細で、単一でブランドを構築することができないという特徴があります。
単一企業によって、地域の特産品のブランド構築に成功した例もありますが、その場合は特産品また地域ブランドというよりも、企業のブランドとして認知されていくことになります。
4. 町おこしにおける特産品の役割
特産品を活かしたまちづくりを考える上で、具体的な取り組みの前提として特産品の役割について考えます。
その目的とは『この地がますます好きになり、この地で暮らしたい!と心に刻んでもらうため』です。
地域における価値や魅力を住民などの地域内部の人々が、特産品を活かした価値や魅力を伝える行動することで地域の魅力となり、外部の人々を惹きつけることができます。
また、特産品を新しいアイデアとの組み合わせでブランド力を上げ、浸透させていくことが地域の活性化に大切なことです。
そして、特産品だけでなく、他の地域資源を利用して、まったく新しいアイデアを生み出すことも、地域の活性化になります。
また特産品によるまちおこしには、なんといってもたくさんの住民が参加できる無限の可能性があり、そこでは個人のアイデアが生かしやすく、新しいビジネスの産まれる可能性も秘めています。
「こんな素敵な特産品がある自分の故郷」という地域への愛着も産まれ、地域貢献にもなります。
5. 特産品で町おこしを実現するには
特産品によるまちおこしを進める上で最も大切なことは、地域の資源(食材)を洗い出し、再認識することです。
地域特性、歴史的背景、地域文化など様々な切り口から食材を見つめなおす必要があります。
地域で生活する人々にとって当たり前の物でも、他地域から見た時に新鮮かつ特徴的に捉えられる可能性もあります。
このように、地域内だけでなく、他地域からの視点で考える必要もあるでしょう。
特産品によるまちおこしは、言い換えると地域のブランドづくりであり、ブランドを活用した地域の魅力発信です。
まちづくりは、市民、事業者、行政が役割分担を明確にしつつ、それぞれが主体的に行うべきものです。
その中でも、地域課題を見出し、地域の人的資源をコーディネートできる立場にある行政の役割はけっして小さくありません。
とりわけ、準備においては、行政の役割は極めて大きいと言えます。
しかしながら、発展期へ進むためには、いかに事業者が主体となった活動へと転換できるかにかかっています。
そのためには、事業者の中からキーマンを見出し、行政は側面支援に徹する体制を作れるかが成功のポイントです。
これには、行政、市民、事業者の各主体が等しく努力しながら、時間をかけて意識をしていく必要があります。
6. まとめ
特産品によるまちおこしは、特定の「食」にスポットを当て、地域ブランドとして発信し、自治体の魅力を高め、ひいては地域活性化に繋げようとする活動です。
しかしながら、得てして特定の分野の業界に利益をもたらすことへの不安から第一歩が踏み出せないケースも多いです。
確かに、特産品によるまちおこしは、最終的には事業者が主体となった活動へと転換していくべきであり、その活動を継続するためには、一定のビジネス性が求められることは否定できません。
しかしながら、考え方を変え、集客力のある「食」、個店を観光資源として活用させてもらい、地域としての魅力発信、集客力の向上、他の業種への波及効果を狙い、結果として地域が活性化するものとして捉えるべきではないでしょうか。
いかがだったでしょうか?
町おこしは単なるイベントではなく、中長期的に地域社会を活性化させるための非常に重要な取り組みの一つです。
まずは、地元で何ができるのかを整理し、人口増加に繋がるような施策をアイディアベースで考えていくことをおすすめします。
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