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エコミュージアムで名所をアピール!?我が町を記憶に残す、アイデア案5つ

山と川


1. はじめに

地方創生の一手となる試みとして着目されている、「エコミュージアム」をご存じですか?
エコミュージアムは「エコロジー」と「ミュージアム」を合成した言葉で、1960年代にフランスで発祥しました。

まち全体を博物館と捉え、自然や名所、「箱物」も活用しながら、地域資源を活かしたまちづくりを目指すのが「エコミュージアム構想」で、生涯学習などの活動も含んでいます。

地域の魅力を総合的に引き出しアピールするこの取り組みで、まちおこしにチャレンジしている自治体も数多くあります。

イベントの開催や、地元の自慢となるコンテンツを用いることで地域内の人が活発になると同時に雇用も生み、「誘客」という形で地域外からの人々の足を運ばせることも目的となっています。

本来の「エコミュージアム」のシステムは、地域内にコアと呼ぶ中核施設(情報・調査研究センター)と、自然・文化・産業などの遺産を展示するサテライト(アンテナ)、新たな発見を見い出す小径(ディスカバリートレイル)などを配置し、住民参加を原則とした運営によって来訪者に地域の情報をしっかり伝える手法を用いています。

日本で行われているエコミュージアムは海外とは違い、地域環境やそれを生かした施設の設置と整備を含めた「まちおこし事業」として取り組まれている事例が多く見られます。

自由度の高い構想だからこそ、自然が豊富で都市部から離れている農村地域や、名所が点在していてひとつひとつのインパクトが弱い地域などでの「我が町自慢の再発見」にもつながるのです。


2.『人が来ない』無人駅を活用

田んぼの中にある線路

1日の乗降客がわずか2名という無人駅からはじまった、エコミュージアムの活動があります。

地域の活性化につながる試みとしてエコミュージアムのワークショップが行われていたある町では「ここにはどんな資源があるか」「この土地ならではの着眼点で、何ができるのか」という問題考察の結果、一人の町民のアイデアが採用されました。

それは、町の山奥にある無人駅で駅弁を販売しようという企画です。

まずは、1903年に建築された歴史ある駅舎を「大切な資源」として認識し、集会やイベントの開催をはじめます。

地元の公民館のような存在としても活用すると、次第に地元の人が集まる駅になっていきました。

そんな住民の熱意を汲んだ鉄道会社により、築101年目にあたる年に特急列車の停車が決まり、駅舎の見学や記念撮影に町の外からも人が訪れるようになりました。

そして、日本各地から鉄道ファンが訪れる、一つの観光名所となっていったのです。
特急列車の停車決定と同時にプロジェクトも佳境に入ります。

その年に、ついに駅弁の販売が開始されたのです。

町に流れる川にちなんで駅弁の名前が決まり、より名所の知名度がアップしていきました。
「人の来ないところだから、あきらめる」のではなく、「駅弁を売って、まちの経済を活性化させたい。
駅に人を呼ぶにはどうしたらいいのか」という課題に向けて前向きに取り組んだ結果が、人々の記憶に残る新しい「名物」を生んだのです。


3.「雪」を町のブランドにする

雪の中で遊ぶカップル

「雪合戦発祥の地」を自称するある町では、地域の自然を活用した新しいスポーツを始めました。

山の自然景観が主な観光産業だったある町では、雪深い冬のシーズンに観光客が激減するのが悩みのタネになっていました。

閑散とする町で若者グループが立ち上がり、山近い地域であり雪が積もりやすい環境を魅力としてとらえたアイデアである「スポーツ雪合戦」を思いつきます。

観光客誘致の取り組みを始めた次年にはルールを考案・制定し、その翌年には第1回目の「スポーツ雪合戦」を開催しました。

まちの自然環境を「負」として捕らえず、魅力ある「ブランド」として活用することで大会を実現、参加者にむけたおもてなしが町の魅力を発信する場となります。

スポーツという誘客性の高いツールは、まちおこしの起爆剤にもなり得るのです。

4. 淡水魚で自然の魅力をアプローチ

コアと呼ぶ中核施設、いわゆる「箱」とそのまわりの自然環境を活用したエコミュージアムもあります。

里山の自然が失われるとともにいつの間にか見られなくなってしまっていた淡水魚の調査・研究も兼ねた施設を活用している町があります。

関東地方各地の湧水のある池や小川に点々と生息し、地域によっては絶滅したと思われていた、国指定天然記念物ミヤコタナゴ(日本固有の淡水魚)が町内の農業用ため池で発見され、人工繁殖やその生態に関する調査・研究など、野生復帰の実現に向けた取り組みを行うエコミュージアムセンターが生まれました。

ミヤコタナゴに会えるエコミュージアムセンターは自然と共存できるまちづくりのシンボルとなり、自然や文化などの各種情報の収集や情報発信の場として、スタンプラリーなどのイベントも行っているそうです。

5.思い出づくりは、里山で

田んぼに佇む女性

田舎アプローチの直球とも言える、田んぼや虫を活用したエコミュージアムもあります。

自然と上手くバランス良く付き合いながら、身近な里山を体験できる場所として田んぼを活用し「田植え」「草取り」「稲刈り」「脱穀」「新米試食」の農業体験を行っている町があります。

着目したいのが、その町の特産品種の「お米」を植えて、食べていただくという点です。

特産米のおいしさと味、名前を覚えてもらうことができるので収穫体験のアイデアとしてぜひ取り入れて欲しい実例案です。

農業だけではなく「虫取り」の体験も行っています。

春は野原で蝶を、夏は森林で昆虫を、田んぼのまわりの虫捜索まで楽しめます。

親子で参加しやすい里山のイベントは学びの場にもなるので、エコミュージアム構想にはぴったり。

家族の思い出の地として記憶にも強く残ります。

6.四季を感じる自然散策

桜と小鳥

自然公園をエコミュージアムとして活用する事例もあります。

散策しやすい好立地であることは言うまでもありませんが、四季を通じて変化する自然をまちの魅力としてアピールすることができます。

春はウグイスなどの野鳥のさえずりや梅、桜などのお花見を、夏はクワガタ、セミなどの虫取りとホタル観賞、秋は紅葉、冬はツグミ、カモ類などの冬鳥の到来など「いつ来ても魅力がある」ことはまちのアピールポイントとなります。

いつも耳にしている野鳥のさえずりが、都会では聞くことのできない歌声として喜ばれる、日常に隠れた新しい発見がまちの魅力につながっていくのです。

7.まとめ

貴重な地域の財産を大切に将来へ守り伝えるという役割も担う、エコミュージアム。普段何気なく目にしている地域にある自然、歴史や文化の価値を守り、活用していこうという新しいまちづくりの考え方です。

「まちの歴史を知る、大切な智恵袋」である高齢者の方々と、「新しい風を吹かせる」若い世代と一緒に、まちを盛り上げるエコミュージアム構想を創り上げてみてはいかがでしょうか。

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